いつもご利用ありがとうございます!
山形のこの時期は、梅・桃・桜・菜の花・蒲公英・さくらんぼがほぼ同時に一斉に咲き誇ります。ロケーションさえ良ければ残雪の山々がその花達と同じアングルで見ることもできます。長く寒い冬を超えてようやく迎えたこの季節はまさに「待望の春」です。
さて、前回までは運賃改定のお話をしてきました。前回お話しした通り大きな混乱もクレームも無くホッとしているところです。今回からは不定期ながら印象的なお客様のお話しをしていきたいと思います。
90歳代のお客様
その方のご家族から緊急で連絡が入りました。「デイサービスに行っている90歳代の父の具合が悪い。急で悪いのだが、かかりつけのクリニックへ連れて行ってもらえないか?」という内容でした。たまたまご依頼いただいた時間は空いておりましたので、即座に車イスを持って指定された施設へ急行。自立できないとのことでしたので車イスへの移乗ももちろんお手伝いすることに。
その方は
ここ2〜3日何も食べていないとの事で体に力が入らないようでした。施設の方と協力し車イスへ移乗してかかりつけのクリニックへ。
クリニックでは点滴をするとの事で時間が読めないので、一旦精算になりました。その際また、クリニックの車イスへ移乗したのですが、先程とは違いしっかりご自分の足に力が入っている。(あれ?)
また、ご家族から「今日はここで点滴して、大きい病院へ連れていきたい。明日の朝自宅へ来てもらえるか?」と問いかけがあったので、予約も入っていなかったことから快諾。翌朝迎えに行くことになりました。
翌朝
ご自宅へお迎えに行くと、ご家族から「本人が病院に行くのを嫌がっている」とのこと。お部屋まで車イスを持って入らせていただくと、ベッドに横になっているご本人がいました。声をかけると無言で首を横に振る。ご家族が同じように声がけしても徹底拒否。少し無理矢理(普段は決してやりませんが!)車イスに乗せようとすると体に力を入れてこれまた絶対嫌だと言わんばかりに徹底拒否。さてどうしたもんか…。すったもんだをしばらく続けた後、ご家族には「ご本人が拒否しているし、これ以上強引にお乗せすることはできない」とお断りしご了承いただきました。
ご家族と話をしていると
その会話が聞こえたからなのか、我慢していたからなのか「じゃあ何かあれば声をかけてください」とその場を後にしようとすると、頑なにベッドから動かなかったご本人がスタスタとトイレに歩いて行くではありませんか!私とご家族の2人がかりでも動かなかったご本人がスタスタと!こうなるともう笑うしかありません。
ご家族から、近々またお願いすることもあると思うのでその時はよろしくと声をかけてもらい、その日は撤収しました。
2〜3週間後
新聞のお悔やみ欄にその方の名前を見つけて時は残念でなりませんでした。
福祉タクシーである以上、ご利用くださるお客様はご高齢の方が多く、お客様が亡くなることを知るのはこれが初めてではありません。ですが、そうは言っても残念でなりません。この方をはじめお元気になるために、座っているのが辛いのに車イスに座ってご利用くださるお客様もたくさんいらっしゃいます。そんなお客様を少しでも楽に、そして安全に目的地にお送りするために福祉タクシーCANとしてもっと精進しよう!と再認識することができたお客様でした。

最近ようやく3頭揃って「座れ」ができるようになった看板犬たち
